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創作のブログです。

「おだいじに」椎名林檎

 椎名林檎最後のアルバム「加爾 基精液 栗ノ花」の「おだいじに」という曲の冒頭,「氣持ちは晴れ」という歌詞が「こんにちはハゲ」に聞こえます.
 僕の父はスキンヘッドです.ついでに眉毛もありません.父が高校生のころ抜け始め,終には無毛となったそうです.原因は病なのか遺伝なのか,判然としておりません.僕が幼児であったころは無邪気にぺたぺたと父の頭を叩き,たまにうぶ毛を発見してはきゃっきゃっと喜んでいたものですが,物心つくころになると,父の頭に関する話題をタブーだと思うようになってしまいました.これはおそらく父がかつらをつけていたため,ハゲは隠すべきものなのだという思い込みによるものでしょう.父としては怖げなルックスをカバーするためのアイテムとしてかつらを用いていただけらしく,別に隠そうという気はなかったようですが.
 ただ,このことをタブーだと思っていたのは家族の中でも僕だけだったようで,母などが普通に父の頭に関する話(ネタ的)をたびたびするのですが,なんだか悪いことをしているような,後ろめたい気持ちになったものです.今から考えるとこういうのが「差別」なのでしょうね.今はもう父がかつらをかぶることはなく*1,僕もタブーだと思うようなこともなくなりました.
 それにしても2年ほど前に髪がやたらと抜ける時期があったのですが,かなり戦々恐々としておりました.小さいころから母に「高校生ぐらいに髪が全部抜けるかもしれないから覚悟はしておきなさいよ.これは十分にあり得ることなのだから.特にあんたは髪が太くて固くて量が多いのだからかなりその確率は高いと思うわ」とたびたび言われていたので,ああとうとうこのときが来たかと背筋が凍るような思いをしておりましたが,幸い一時的なものでした.
 
 ハゲで思い出したので,数ヶ月前に「情報数学」という授業に出てきた問題をここに紹介しておきます.(うろ覚え)

「人類皆ハゲであることを証明」
1.毛が1本のとき 問答無用のハゲである
2.毛がn本のときハゲであるとすると,毛がn+1本のとき毛が1本増えたくらいではハゲはハゲであることに変わりは無いので,これもまたハゲである.
 数学的帰納法により,人は全てハゲである.
 もちろんハゲかどうかは毛の本数で決まるわけではないので,これは明らかにおかしいですよね.この問題を見ていて思ったのですが,毛が1〜∞本まではハゲだとなりますが,0本については言及していないので,無毛頭である僕の父はどうなるのでしょうね.0本の場合は別に定義してあるとか.0本の場合は「ハゲ」ではなく「天晴」みたいな.

*1:外出するときには基本的に帽子をかぶっているのですがこれは単に寒さしのぎのためだと考えられます.