OjohmbonX

創作のブログです。

負ける気がしねえ

 元日に2枚年賀状が来ただけで,昨日,今日と1通も年賀状が来ない.これ如何に.
 毎年1日に必ずくれる人から来ないのはおかしくないかね,というわけで恥ずかしさを感じつつも送ってくれたと思われる人に電話を掛けてみたら28日に投函したとのこと.ちなみにその人へ僕が29日に投函した年賀状は届いているらしい.これ如何に.
 これは僕の家のある地域を担当している配達員(バイト)が僕に対して個人的な恨みがあるとしか思えぬ.何故だ.ああそうか.相分かった.皆まで言わずともよい.眉目秀麗頭脳明晰なるこの僕への嫉妬であろう.さもありなん.哀れなり.
 しかしながら,哀れとは同情すれども,年賀状を届けんとは何事か.許すまじ.何らかの制裁を加えねばならぬのは明白である.とりあえず犯す.犯してこます.以下,粛々と制裁を加える過程.
 
 郵便受の見える位置に朝5時から隠れる我.9時半ごろ配達員(香坂和明高校2年生175cm64kg素朴ですっきりした顔立ち短髪)がやってくる.ちょうど今来たかのようにふわりと現れる我.「君,うちの郵便物はあるかね」「何号室ですか」「302」部屋番号を告げると見る見る間に顔が真っ青になる配達員香坂.「ありません」ふいと目を逸らせ,302以外の郵便受に黙々と郵便物を入れていく配達員香坂.「おかしいなあ,うちだけ郵便物が来ないんだけどなあ」郵便物を配り終え無言で俯きながら立ち去ろうとする配達員香坂の腕をむんずとつかむ我.「配達が終わった後で家に来てきちんと謝ってくれたら許してあげてもいいよ」我の手を振り解き俯いたまま自転車にまたがり去る配達員香坂.
 午前11時ぴんぽーんてなわけで出ると,いかにも岐阜の高校生という風情の私服香坂が「あ」何が,あ,なんだ人の年賀状を奪っておいてからに他に言うことがあるであろうと思いつつも,妻と息子を連れて帰郷した息子を迎える老婆のような顔で「あれあれ寒かったろうに早く早く上がりなさい」てっきり怒鳴り散らされると覚悟していたのにどうなっているのだこれは,とでも言いたげに呆然と突っ立っている私服香坂を引きずるようにして部屋に入れる我.父は仕事で家には我と私服香坂だけなのは当然ですよねえ.「あの,すいませんでした,これ」我の年賀状の入っていると思われる小さな紙袋を恭しく差し出す私服香坂.それを一瞥もせずに,孫を見やる優しげな老婆の目の我が「偉いよねえ正月から寒いのに郵便配達偉いねえ.で,なんで?」耳まで真っ赤にし,激しく吃る私服香坂.「ええと,あの,僕は,実は,id:OjohmbonX*1さんのことを知ってて」私服香坂は我と同じ中学で,我は私服香坂のことなど微塵も知らぬのだが,どこで聞いてか我のことを知っており,4年ぶりにその名を目にし,興味本位で我の郵便物だけ抜いたのだと言う.
 
 ここからが(僕にとって)最高のところなのですが,長いし,面倒くさいし,露骨なので止めておきます.掻い摘んで説明しておくと,僕は今まで攻なんてしたことないけど香坂相手に初挑戦せっかくだから背の高い年下攻も良いよね,という内容です.
 とりあえず香坂は明日僕の年賀状をきちんと郵便受に入れるように.明日いっぱい待って来なかったら,岐阜中央郵便局に電話で連絡致します.さすがに朝5時から待つなんて僕には無理なので,香坂の僕に対する淡い憧れは一蹴されることになります.ごめんね香坂☆
 
 これだけ書いておいて,配達員が脂ぎった中年男性だったらどうしようか.

*1:私服香坂によるトラックバック