OjohmbonX

創作のブログです。

 一人で近所の小さなラーメン屋に夜の9時ごろ行ったら店員が中学の同級生女子.お互いすぐに気づいたが,特に仲が良かったわけではないので,少しうなずきあうだけ.よりによってカウンター席の,彼女の作業領域のまん前に座ってしまって気まずいこと限りなし.うなじを掻いたり,コップをいじくったり,テレビ番組「笑いの金メダル」を全く笑わずに見たりしたが,やはり気まずい.早く注文したしょうゆラーメンがこないものか.しょうゆラーメンが現れれば僕にはしょうゆラーメンを食べるという作業が生じ,手持ち無沙汰で気まずい状態が多少は改善されるはず.とか何とか考えながら気まず気まずしているとしょうゆラーメン.さあすすり食わんと麺を適度に掴み口元に運びかけたときにテレビのスピーカーからレギュラーというお笑いコンビの片割れが「ババアのハートに火をつける」という意味のことを言う声が聞こえてきてうかつにも笑ってしまった.口だけにやりと歪めて鼻をふんと鳴らしただけだが,笑ってしまったことに変わりはない.いかんいかん.隙を見せてはいやんいやん.何がいかんのか・いやんのかよく分からんが,きっといかんのだ.奴はその隙に付け込んでくるに違いない.それから気を引き締めてしょうゆラーメンをすすり食うのに没頭し,すすり食い終えるとすみやかに帰宅.
 きっと,もう,あのラーメン屋には行かない.