OjohmbonX

創作のブログです。

 僕の住んでいるアパートメントハウスの1階は駐車場になっているが,そこに燕が巣を作り始めたのを見つけた.右上にあるのがその巣を撮影した写真である.
 燕の巣のある家には幸福がもたらされるという.そう考えるだけでとても暖かな気持ちになるが,暖かな気持ちになるだけであって「幸福」ではないので,燕には早いところ巣を完成させ「幸福」を僕にもたらして欲しい.
 ところで僕には深憂がある.巣一つあたりの幸福の総量は変化しないのかどうか.僕の住まいは集合住宅であり,巣一つあたりの幸福の総量が変わらないとすると各家庭,各人に幸福は分配される.自分の幸福の取り分は如何程か.幸福の総量が十分に大きければ良いが,数人が幸福であると自覚できる程度の幸福量であれば,当アパートメントハウスの4,50人に分配された場合,1人あたりの幸福量は,朝のテレビ番組の占いで1位になった程度の幸福量でしかないかもしれない.そうだとすると自分の取り分を増やしたいと考えるのが人情だろう?
 とりあえず,午前2時3時まで窓を開け放ち時にはベランダにて英語で会話をし僕の眠りを妨げる真上の住人と,正常な判断力のある人間であればそれを人生の支えとせずにはいられない程に素敵な僕の挨拶に何らの反応もしない住人に対して,幸福が訪れないような都合の良い巣を燕が作るのを希求願望している.
 
 と,今までエゴイスティックなことを書いてきたが,幸福なんて量れるのかしら.燕の巣は理屈抜きに等しく,ささやかな幸福を皆に与えるのではないかしら.幸福でない状態にあったからこそそれを補うために夜中にまで会話を続けていた真上の住人は,幸福な状態になることで夜は静かに穏やかに眠り,幸福でないために挨拶を返す余裕を持たなかった住人は,幸福を与えられることでにこやかに対する.彼らの変化が僕をさらに幸福にする.ささやかな幸せがお互いに感応しあい,幸福は倍加される.幸福が世界を覆いつくす.
 で結局みんな幸せなんだけど,僕だけ人一倍幸せ.とことん「僕だけ」「みんなより」幸せでなきゃ嘘.羨ましいでしょ.でも分けてあげない.ほっほーん.羨ましいでしょ.でも分けてあげない.ほっほーん.羨ましいでしょ.でも分けてあげない.ほっほーん.羨まし