OjohmbonX

創作のブログです。

スイカ・アルゴリズム

 昨夜父が「こんなに暑いと西瓜が食べたい」と言ったので西瓜が好きでない僕は近いうちに食べねばならぬ状況が生ずることへの危惧を抱いていたら今夜西瓜 on the 食卓.出た以上食べねばならず,それは「食べたくない」と言ったときの父の胸中を慮ってのことで,なんて言うと「これはエレクトラコンプレックス青年ヴァージョンとかそういうあれですか」と考える人がいるかもしれないが,そうではなくて,他人だと思っているわけではないがお互い干渉せず話すことは主に必要なことと世間話,という二人の関係によるものであって,とにかく,僕は西瓜を食べた.
 西瓜が好きでないのは

  1. 果肉を口に含み咀嚼する際の,種を噛み「がりっ」とならぬよう気を配る女々しさへの不快,また,種を口外に排出する煩わしさ
  2. 手が果汁でべた付くことへの生理的嫌悪
という理由によるものであって,西瓜の味が嫌いなわけではなく,これらが解消されれば西瓜大好き.
 これまでは1.を解消するため齧り付く前に指で種をほじくり出していたが,切断面か切断面近くの種しか取り除けないため1.は完全に解消されず,新たに「指でほじくり出す」という煩わしさが増え,2.は解消どころか逆に増大することになり,結局,不快感の総量は変わらず西瓜は嫌いのまま.
 今夜はそれまでと違い,デザート用の小さなフォークを用いることにした.なぜそうしようと考えたのかはわからない.というより,なぜこれまでそうしようと考えなかったのかがわからない.それから,西瓜は小玉とかいう普通より小ぶりのもので,それに似合った厚さに切ってあったため,あらかじめフォークで種を掻き出すことができ,気を使わず雄々しく食らう僕.さらに,終始右手にフォークを持っているため右手に関しては2.解消.食べ進めるにつれ食べ方が洗練されていき,最後の一切れの時点では,あまりに方法が完成されていたため,これは,もう,「スイカ・アルゴリズム」などと名付けても良いのではないかという気にすらなった,というか,自分の中でもう名付けた.
 ただし「スイカ・アルゴリズム」についてここでは詳述しないので,右上に示した結果の画像を参考に,皆さん自分の「スイカ・アルゴリズム」を完成させましょう.と書いて,実は世の中の人たちはもっと早い時期,例えば小学2年生ぐらいで既に「スイカ・アルゴリズム」を完成させているのではないかと考え,恥ずかしいような気持ち.