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OjohmbonX

創作のブログです。

父の泣いた日

 娘は自らの父親に似た人を好きになる、とはあまりに月並みな言葉で口にするのも馬鹿馬鹿しいようだけれど、こうなってしまっては苦笑いしながら認めるほかなくなってしまった。
 私の恋人は世紀末覇者拳王ラオウであり、私の父も世紀末覇者拳王ラオウなのだ。(21世紀初頭だけど。)
「うぬぅ」
「うぬぅ」
 結婚の報告をしに彼が私の家を訪れた。父も彼も何かとまどっているようで、
「うぬぅ?」
「うぬぅ」
「うぬぅ!」
と会話にならないところへお茶を淹れた母が部屋に入ってきて状況がよくなるかと言えば「うぬぅ」母も世紀末覇者拳王なのだから始末に負えない上、父も母も彼も公称身長2メートル強だというのに、演出の都合上3、4メートル近くなるのだから部屋がせまくてしょうがない。
 そうこうするうち、なんだか知らないけれど父が突然
「このラオウにもまだ涙が残っておったわ」
勝手に涙を流して
「俺を恐怖させた物それは……愛か!」
勝手に恐怖し、
「わが生涯に一片の悔いなし!!」
と立ったまま自らの秘孔を突こうとしたから、母が止めて
「いやいや、わが生涯こそ一片の悔いなし!!」
 母も秘孔を突こうとしたのを彼が止めに入って
「いやいやいや、わが生涯にも一片の悔いなし!!」
となったから仕方なく私も
「えぇぇ……じゃあ私も生涯に一片の悔いなし……」
「どうぞどうぞどうぞ」
 私は自分で自分の秘孔を突いて立ったまま昇天する羽目になった。享年23。