私は、同級生に恋をしている。おぼこ太郎に恋をしている。まだ小学2年生だというのに！ といったことを父に伝えた。 「ダメよ。だって、得体が知れないじゃない」 そう言って父はおぼこ太郎をしりぞけ、かわりにハムスターを薦めた。というのもテレビアニメ…

右まぶたを紫色に腫らしてやってきた小学2年生の男の子。 彼が言うには、学校でドッジボールをしていた他の子の脱げた靴が飛んできてまぶたに当たったらしい。 先生が「痛そうやねえ」と言うと、 「うん、いたい。いたすぎて公文の宿題できんかったー」 そこ…

「サザエでございまーす！」 そう機嫌よく叫びながらスクーターに乗って辻に飛び出した三河屋のサブちゃんは、ダンプカーに轢かれて間もなく絶命した。 かくも命は、あっけない。

「月を、見ていたのです」 風流だからいいでしょう、といった調子で、信号待ちで停止していた私の普通自動車の後部に激突した軽自動車の運転手の女はそう言った。 とかくこの世は、ままならぬ。

ドラえもんにUSBポートが見当たらないところをみると、どうやら22世紀ではUSBは廃れきってるらしいな。 だからいまのうちに、ニセUSB商法でがっぽり儲けたいと思うんだ。 しかし彼は知らない。上位モデルに「USB18.0対応ドラえもん」が存在することを。そし…

「ああ、爪の中まで愛して！」 私が授業中に真剣に彼女の胸をもみもみしていると、彼女はそう言った。彼女の爪の中には爪くそがあった。 「間違えた。『爪の先まで』だった。とても恥ずかしい！」 そうして彼女はすみやかに教室の窓を開けて飛び出した。彼女…

Yahoo!知恵袋のその質問は、「七三分けでも結婚できますか？」とのみ書かれていた。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1212695157 「日本の皇太子は既婚です。」と私は答えるかもしれないが、その回答を彼が望んでいるかは疑わしく…

「つらいことがあったら、これで元気を出しなさい」 そう言って、私が就職のため実家を離れる前日に祖母は私に紙包みを渡した。その中身は、祖母フィギュア（10分の1サイズ）だった。祖母フィギュアはとても精巧で祖母に生き写しの上、腹を押すと「ふえぇぇ…

私は妻に話しかけることにした。 「ねえ、妻」 私の声はぜったいに聞こえたはずなのに、妻は聞こえないふりをした。なぜなら妻は低血圧だからだ。朝起きたばかりの低血圧の人は不機嫌なのだと現代日本では決まっているから、妻はさっき聞こえないふりをした…

後家マンコ写真は今日も工場で大量生産されていた。 「アヒィッ！ 足が、つるずら〜」 生意気にも文句をたれているのは、ゴケマンファクトリー本社工場に勤務して3年目の細山豆子（67）（コードネーム：くりくりお豆）だ。 豆子の夫は、定年退職を迎えてただ…

女性を射殺した後自殺した東京都の警察官に（というよりその遺族に）退職金が増額されて支払われると知って、石原慎太郎都知事が＜退職金が支払われることについて、「論外だと思います。人を殺しているんだから」と述べた＞（産経新聞）一方で、私は、増額…