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創作のブログです。

日本語教室

 今日は「うざい」について勉強します.
「うざい」という言葉は形容詞で,意味は,ちょっと訳しづらいのですが……そうですね,まあ,さしあたり"happy"と同義ということにしておきましょうか.いや,"happy"では「うざい」の微妙なニュアンスを充分徹底的には表しえていませんが,そのあたりは日本で生活するうちに体得できるでしょう.とりあえず,先に進みます.

「うざい」は形容詞ですので,
「あなたはうざいです」
のように直接「です」をつなげるのは本来誤りとなりますが,実際には頻繁に使われています.ただ,
「あなたはうざいだ」
というように,形容詞の直後に「だ」を置く表現は使われないので注意しましょう.「形容詞+です」を用いない方法としては,名詞を挟んで
「あなたはうざい人です」
または「の」をつなげて
「あなたはうざいのです」
転じて
「あなたはうざいんです」
 ここで,先週のおさらいをします.形容詞の連用形の活用語尾は「く」ですね.しかし「ございます」や「存ずる」などが続くとき「う」に変化することがあります.これをウ音便といいます.「おもしろうございます」とか「よう存じております」などがそうですね.さらに,例えば「危のうございます」や「ありがとう存じます」のように語幹の一部も変化するものがあります.さて,「うざい」の連用形は「うざく」で
「あなたはうざくあります」
のように使いますが,「ございます」などが連なるときは活用語尾と語幹の一部が変化して
「あなたはうぞうございます」
となります.

 ところで,形容詞の一部は語幹を使って感嘆詞を作ることがあります.「痛っ」とか「臭っ」とかがそうですね.同様に「うざい」も
「うざっ」
があります.これは突発的な,瞬間的なことに対して,例えば「痛っ」は授業中に後ろの席の人からいきなり針で刺されたときに使います……ええ,日本の学校ではままあります……一方,そう感じさせる原因が取り除かれた後の余韻を思いながら,箪笥の角に足の小指を打ち付けた後,さすりながら「いったー」.同様に「うざい」は
「うっぜー」
 また,持続する,そう感じさせる原因が長く取り除かれないとき,例えば「サザエ」という名の姉に耳をつねられたまま42.195km……ええ,日本ではよく見られる光景です……「痛たたたたた」となり,「うざい」の場合は
「うぜええええええ」
となります.

 実際の用例をいくつか見ていきましょうか.

「私は,あなたをうざくする自信はありません.でも,僕がうざくなる自信はあります.結婚してください」
「ええ,喜んで…….あなたは私を『うざくする自信』がないと仰せられましたが,私はあなたと共にあること,いえ,いっそ,あなたが存在することが,既に私をうざくしているのです」

「お前さあ,県展,入選らしいよ!」
「マジで? うざっ!」
「俺も,最優秀賞だってさ!」
「マジうぜえええええええええええ」

「私の料理,どう?」
「やばい.うざい.うざ過ぎる」

 今日はここまでとします.それでは明日もまた頑張りましょう.