OjohmbonX

創作のブログです。

 放課後に学校近くの(といっても歩くと15〜20分はかかるが)書店にて後期の講義に使う教科書を購入した後,店内を少し見て歩いていたところ國語問題協議會編『教養のための基本漢字表』(昭和55年発行.定価1,600円)を見つけて500円で買った.状態が悪かった(といっても函・帯付き,初版)ために店の人が安くしてくれたのだが,3,000円くらいでも迷わず買ったのに.まあ,もちろん,安いほうが嬉しいのだけれど.
 この『基本漢字表』は「これだけ知つてゐればいい、といふものではなく、これぐらゐは是非知つてゐて欲しい、日本人として苟も教養を持ち、望ましき精神生活を営むためには*1」(序文)と「常用漢字表」に対抗して(?)およそ3千5百(+2百)の漢字を表にしたものだが,僕がこれに惹かれたのは,正字体,異体字,略字,俗字,古字,当用漢字体を並べて記載してあるため,ある漢字の正字を知りたいときに便利だということ.大西巨人の短篇「縹富士」(『五里霧』所収)を読んで以来,少しく正字に対する興味が湧き,さらに先日土屋秀宇『学校では教えてくれない日本語の秘密』を読み,正字(と歴史的仮名遣い)をよりよく知りたいと思っていたところ,この本を手にすることができた(しかも安く).なんと時宜にかなったことか……
 それにしても,今週の金曜30日に卒業研究の中間発表があるというのに,その準備がほとんどできていない.と書いたら急に胸を圧迫されたように感じた.相当嫌だと思っている証左.

*1:本当は正字で書かれている.(書名も)