2008-01-30 悲喜こもごも 「ねえ、私のどこが好き?」 不安げな目をして、ガンタンクは整備工に尋ねた。ガンタンクは全高15メートル、重量80トンのモビルスーツである。 「足がキャタピラーなとこ」 キュラキュラ。 整備工はガンタンクのキャタピラーに轢き殺された。不幸な事故である。しかし彼の死は決して無駄ではない。なぜならば、これをきっかけにガンタンクは長年のコンプレックスを克服し、合コンにおいて自らのチャームポイントを「足がキャタピラーなとこ」と答えられるまでに至ったのである。合コンの会場となった居酒屋はこなごなである。