OjohmbonX

創作のブログです。

ながーせぼくらの ととべんき

 トイレの中でお尻を拭いてたらトイレットペーパーがいつの間にか紙やすりに変わってた。ぎゃあ。
 きらきらん。あたしはトイレットペーパーの妖精。みつる君。きみはトイレットペーパーを使い過ぎよ。これに懲りたら、紙を大切に使ってね。
 ぼくは妖精さんの頭と足を指先でつまんで、一気に引きちぎって流した。妖精さんの尊い命は残念ながら奪われてしまったけれど、ぼくの心にはたしかにエコの気持ちが芽生えた。


 みたいな話をプリントに刷って、受け持ちのクラスで道徳の時間に使ったら、ある生徒が両手で耳を押さえて目を見開いて「いいいぃぃぃ」とか言い出したので、先生は校長先生に怒られました! みなさん反省してください!
 しかし生徒たちは先生のいうことをきかず、学校のトイレットペーパーを紙やすりに摩り替えるイタズラが多発した。激怒した先生たちは妖精たち(学校の地下で栽培してた)を一気に放出、イナゴの大群のように推定8千万匹の妖精たちは黒い流れとなって人々の穴という穴へ入り込む。まぶたの裏から入って眼球を這い回り、そこから脳髄や眼球を食い荒らしたり、まぶたを食い破ったり、一気に口の中から流れ込んでぱんぱんに膨れ上がった人体が破裂、あるいは意識ははっきりしたまま四肢を食われる。どれだけの速さで逃げても追いつかれる、かすかな隙間でも入り込む、逃げ場はどこにもない。国民が絶望していたところへ立ち上がったのがTOTOの研究チームであった。彼らの研究開発により、ウォシュレットを始めとするトイレ環境の劇的な改善が達成されたのである! もっとも、トイレ環境が改善されたからといって妖精たちがどうにかなるわけではないので、相変わらず人々は食い荒らされていた。最終的に妖精たちは中国の方へ行ったので、日本は平和になってよかった。(ちなみに、妖精の見た目はティンカーベルそっくりです。)


 こういう悲しい物語があって、いま日本のトイレは世界一なんです。第二次世界大戦について子供たちに伝えることも大切ですが、この話もきちんと社会の授業で取り上げ、地域のお年寄りを呼んで体験談を話してもらう。そうして正しく、次の世代に伝えていくことが日本の教育にとって重要なんです。校長先生は、どうお思いなんですか!
「それ、ほんとの話?」
「うそです」
「じゃ、だめだよ(笑)」
「やっぱり(笑)」
「だめだよー。教育委員会に怒られちゃうもん」
「えへへ」