僕はハンター
今日は冬休み最後の日としてのんびり過ごすはずだったのだが,学校の「ブックハンティング」という愚かな行事に参加せねばならず,全く疲れる一日を過ごすこととなった.ブックハンティングとは,1年生と4年生の各科から2人ずつ計20人が名古屋の丸善に行き,図書館にあれば良いと思う本を1クラスあたり3万円分選ぶ,という行事.自分のクラスは希望者を募ったが誰もおらず,運悪く名列番号の関係で自分が行くハメになってしまった.
朝起きると雪がこんこんと降っており,道路に少し積もっていた.ただでさえ行きたくないのにさらに行く気がなくなったが,出かける頃には日が出て雪は融けていた.どちらにせよ行きたくないことには変わりない.
自動車で学校まで行き,学校からはバスで丸善へ.バスの中にてコンビニエンスストアで購入したおにぎり2個を食べる.休日を1日削っているというのに昼食も出ないのかね.
コンビニエンスストアのおにぎりは,海苔のぱりっとしたおにぎりと,海苔のしなっとしたおにぎりがあるが,今日自分の食べたおにぎりは2個ともぱりっとしたおにぎりだった.海苔のぱりっとしたおにぎりは,海苔がぱりっとしているため歯やら唇に海苔がへばりつく可能性が高く,また,へばりついていることを自覚できない場合が多い.然るべき場所で海苔のぱりっとしたおにぎりを食べる場合は,食後に便所の手洗い場など鏡の備え付けられているところで海苔がへばりついていないかどうか確かめることができるが,バスの中には鏡が備え付けられておらず,自分は手鏡を持っていなかったので,自分の歯などに海苔がへばりついているかもしれないという恐怖に苛まれながら一日を過ごすことになるのだが,これは,まあ,ブックハンティングが悪いのではなく昼食として海苔のぱりっとしたおにぎりを持ってきた自分,手鏡を持っていない自分が悪い.
丸善に到着して,桐野夏生,町田康,大西巨人,島田雅彦なんかの文芸書を適当に1万5千円分選んだ.本来は,真に生徒の欲する各科の専門書を把握する,という目的のために企画されたイベントだったようだが,知ったことではない.後は,大西巨人『五里霧』,後藤明生『挟み撃ち』,藤枝静男『田紳有楽|空気頭』,古井由吉『槿』,フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(全て講談社文芸文庫)を個人的に購入し,残りの時間丸善内にあった椅子に座って後藤明生『挟み撃ち』をずっと読んでいた.それにしても講談社文芸文庫は高いですね.今月は末日に発売される『ゴルゴ13』の文庫版以外もう何も買わないことを自分に対して誓います.