OjohmbonX

創作のブログです。

シン・デレラ

カクヨムに投稿しました。kakuyomu.jp

一般的な日本の夫婦関係

カクヨムに投稿しました。夫婦のたぶん愛じゃない話です。 kakuyomu.jp

小4男子は登ってはいけない

カクヨムに投稿しました。kakuyomu.jp

カクヨムのこと

「愛子、メルカリ、バズーカ」という話をカクヨムに投稿しました。 kakuyomu.jp 個人サイト→ブログ→投稿サイトへと、だんだんプラットフォームが共有された場所に移っていて、その方が読む側としても楽なのかもしれないと思って。古い作品もカクヨムに投稿し…

かれぴのTOEICが8兆点

あなごのかば焼きおいしーいと思って食べてたら黒いゴムの板だったんだよね。味もぜんぜんかば焼きじゃないじゃんって言われたけどあたし、かば焼きって食べたことなかったから。 それであたし怒って、妹を棒でたたいてた。ほんとうに悪いのはお母さんやお父…

ペアレント-ティーチャー・アソシエーション

4月になったら、早く4月になってくれたらもう、沢木さんとはただの他人になるんだってことがこんなに待ち遠しくて頭が、おかしくなりそうだ。こんなに会いたいって思うなら二度と、会うことはないって僕でも沢木さんでもない何かがいっそ勝手に決めてくれた…

堀川くんと俺

朝5時に2階の窓から隣家の庭を見下ろしたら、10歳くらいの少年がこっちをじっと見上げていた。はっきり俺の目を見ていた。磯野家の子供ではなかった。無表情なまま大きな頭がぐらぐらゆれていた。 少年はまだ雨戸も開いていない家の縁の下へもぐりこんだ。15…

十九、二十歳

こんな夜中に掃除してる。クイックルワイパーでフローリングの床をざっと拭いて、ガラスのローテーブルの上はウェットティッシュで拭いたあと乾いたティッシュで跡にならないよう水分を拭き取った。 「ごめん。急なんだけど今から泊めてもらえないかな。」 …

王将のマナー

餃子の王将ではおばちゃん(ほとんどおばあさん)の店員が、カウンターに座るサラリーマンたちの背中を木の棒で叩いていた。早く食べて出ていけという意味だ。新しい客がなにか注文すると、フロアの女が「淫乱ガーゴイルー!」と厨房に向かって叫ぶ。厨房か…

奇跡の人

夜の町の曲がり角で小柄な老婆とぶつかりかけた。老婆は 「ウォーター。」 と言った。その抑揚を奇妙に欠いたイントネーションと、文脈にそぐわぬ言葉をいぶかって男がよくよく見れば、老婆ではなくまだ30前後の女だった。ヘレン・ケラーだった。彼女の太い…

Wiiのお墓

ひょっとして、Wiiがこわれたら、WiiUを買ってもらえるかもしれない、そのアイデアをはっきり意識した瞬間に、こういちは身震いというものを生まれてはじめて感じた。ものすごく頭と顔があつくなって全身の筋肉が、いてもたってもいられないというように二三…

熊ノ原

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 1 ああ、蒸すわね。50の男にはちょっとつらいかも。植物の息がこの森の空気を満たして、ああ、蒸すわあ。今日もお目当ての原っぱは見つからなかった。だけどそれっていつものことだから私、気にしない。足場は良くないけれど…

兄弟とただの他人

地元の子供だろう。親も見当たらない。真夏の日の中でおだやかに流れる川を泳いでいる。こちら側は広い川原だが、向こう岸は切り立った岩だ。子供たちが川を泳いで渡り、向こう岸の岩を軽々とよじ登っては、その上から川面に飛び込んでいく。飽きもせず繰り…

あの子じゃわからん 相談しましょ そうしましょ

よしさんとあれから進展あった? うん。 僕ね、君がよしさんのこと、恋煩いの事、話してくれて本当に嬉しいと思ってるんだよ。もちろんそれだけじゃなくて、バイトの事とか、学校の事とか、サークルの事とか、好きなアイドルやバンドの事とかいろいろ話して…

わずか5秒のうちに全員が黒い胸の虜になった

1999年7月15日の熱い教室で、吉田彩は陰口を背中の右半分で耐えていた。反応さえしなければ存在しないのと同じだと信じているような頑なさで、机の上に置いた手を一心にいじっていた。しかし陰口も、それをやり過ごすことも、同時に停止した。休み時間の教室…

ファントムの中で

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 1 透明なガラスケースを子供の指で叩きながら、持ってる、持ってる、持ってる、持ってない、持ってる、と壊れた花占いのように大声で呟いていた。ケースの中には遊戯王のカードが陳列されていたが、…

おだやかな生き地獄

もしぼくが今死んだら、と布団の中で考え始めてもし、ぼくが死んだらお父さんやお母さんが、天国で待ってて三人で暮らしていけると思った。それならいいかもしれない。死ぬのはこわい。でも学校生活もうれしくないことが多い。いやなことを言われたりする。…

ピーチジョン

「ありえなくね? 桃から出てくるとかありえなくね?」 「関係ないっしょ。ウチとだぁが付き合っててさ、ウチらの前に赤ちゃんがいるってことはさ、これって家族だと思うんだよね」 桃から生まれたからピーチジョンって名前にした。だぁはマジでビビりまくり…

こぼれる華になる

「ねえ、よっちゃん」 「おれは達樹だってば。たっちゃん。よっちゃんはお父さんでしょ。おばあちゃん、ボケちゃってんだから」 生意気な孫! あたしちゃんとたっちゃんって呼んだじゃない。あたしがボケてるだなんて、有紀さんがたっちゃんに悪口いってるん…

早くこいこいクリスマス

100万のサンタが空を覆い、まるで空が落ちてくるようにプレゼントが降ってきた。何千万の鈴の音が空気を隙間なく攻撃的に満たして、地面を揺らした。トナカイの強い獣のにおいが怒りのように地上に迫ってきた。 去年はオンリーワンだった。その前の年も、そ…

秘剣さざなみ

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 1 「奥さまはどんな方?」 和室で男女が膝をつめて杯を傾けている。夜具が端に見える。行灯の光で二人の顔が強い陰影を作っている。女は芸妓、男は侍、いずれも年は30手前くらい…

もののけ関係者による証言

モロの証言 「お前にサンを救えるか」と私が言うと奴は、 「は? 肩いきなしガッ抱きよせて頭よーしよし撫でりゃ一発っしょ? ああいう甘え慣れてねえ女ってさ。ちょっと優しくするとすーぐ勘違いして一気にデレるんスよ。っしょ?」などと吐かしたのだ。 30…

生命活動として極めて正常

課長はPC社外持出し許可申請書に素早く目を通すと、机の引き出しから拳銃を取り出して脇に立っていた課員の眉間を撃ち抜いた。課員は課長の手が当然印鑑を取り出すものと信じて疑う暇もないまま死んだ。居室にいた私たちは射撃音と同僚の死に動揺したものの…

純粋怪談 元水路

日が落ちても暑さが残る、夏の夜でした。仕事帰りにすぐシャワーを浴びてたんです。それで頭を洗っているときに「ギッ」って音が風呂場の扉からして。立て付けが悪いのかなと閉め直しても、また体を洗っている最中に「ギッ」と鳴るんです。その時は鬱陶しい…

ラヴギーン

はあ。あたし恋してる。国会議員。65歳。当選5回。 残りの人生。あとはただ国益のためって、そう思ってた。ほんとだょ? なのにどうしてだろ。甘くしめつける胸の痛み、狭心症とはちがう、だってわかる、経験したことあるから。もう認めざるぉえない、これっ…

ストップ。迷惑行為。

電車で隣に座ってるOLっぽい女の人が、ときどき首を回転させてる。モーターがついてるみたいに、すごい速さで首から上が回転する。扇風機と同じくらい速い。 学校帰りの電車、いつもは絶対座れないのに、乗った瞬間席があいてるのを見つけて一直線に座ったら…

171×59×19

[ 1 ] 高画質になるのも考えもんだなと思いながら、酒井は右手を思いきり伸ばしてスマホで自撮りを繰り返す。ベストショットを小さくリサイズし、トイカメラ風に軽く加工して一度は納得したものの、思い止まって加工した画像を削除する。ちょうどその瞬間に…

ゴールデン・ジャーマニズム

小学生の唇の奥で金歯が光る。お昼休みなのに土砂降りで冗談みたいに外が暗い。教室の蛍光灯の青っぽい光がジャーマンの金歯の表面をねらねら滑ってく。全員ひとことも口きかずに見てる。 ほんのちょっと前までみんな大笑いしてたのに。頭おかしくなるくらい…

彼女と別れました

同棲してた彼女が急にうちを出ていって、彼女のお父さんとお母さんが残された。困るから引き取ってもらおうと電話してもつながらない。本人からも引き取るように言ってよとお願いするけど、二人とも「はあ」とか「そうですねえ」とか言って連絡を取ろうとも…

憎まれっ子はばかるザ・ワールド

ああ、磯野に馬鹿にされていると先生が突然思ったそのときにはもう、授業を続けられなくなっていた。 先生が何の前触れもなく黙って、教室の入り口あたりをじっと見ている、子供たちはそわそわ落ち着きを失って、お互いの顔を見合わせたり先生の視線の先を追…