OjohmbonX

創作のブログです。

電話2

 家の電話が21時半くらいに鳴ったから、わくわくしながら「はい」と受話器をとってみれば、いきなり
「お母さんっ!? 迎えに来てーっ」
と言われて、唖然として何も返せずにしばらくぼんやりしているあいだに
「えぇっ? お母さんっ、迎えに来てよーっ」
と、声変わり前の男の子か女の中学・高校生か、声だけでは判らない声で言い募る。
「あの……ティッシューッ!! ぼく、ティッシュ好きなんですぅ」
「えぇっ!? だから、迎えに来て、って言ってんじゃんか」
「……ですから、ティッシューッ!! 番号をティ、ティ、ティッッッシュゥゥゥゥッ!!!」
「はぁーっ!?」
 そのまま電話は、切られた。どうやら頭がパーのようだ。ふたたび電話が鳴り出したため、受話器をとって「ティッシュじゃないです」と言ってから、切った。
 しばらくすると、ふたたび電話が鳴り出した。鳴り続ける電話機をしばらく見つめながら、このまま切れるまで待とうか、とも考えたけれど、出ることにした。
「もしもし、ティッシュですか?」
「お父さん? 迎えに来てーっ」
「クリネーーックス!」
「はぁーっ!?」
「だから、<ネピア>じゃあ、ないんスコッティ。ス、スコッ、スコッ、スコッ……ネピアーーーーッ!!! エリエール。」
 近くにいる誰かに話しかけているらしく声がふいに遠くなって
「なんかー、ティッシュとか言うんだけどー……」
電話は、切られた。
 どうして、まるで、ぼくが間違えたようになっているのか。ぼくはただ、ティッシュが好きなだけなのに……

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